相対速度とは、ある物体を別の観測者から観測したときの速度(引用:wikipedia)です。
ここでは、相対速度について、具体例を挙げてご紹介していきます。
なお、速さと速度の違いでもお話しました通り、速度は大きさと向きをもっていますので、相対速度も「マイナス」の符号を付けて答えるケースがあることを、まず覚えておいてください。
相対速度が絡む例
ある車(A)が、一直線上を右向きに速度60[km/h]で走っているとします。
その様子を、地上に立っている観測者(A)が見ているとしましょう。
この場合、観測者(A)はじっと立ち止まっているので、車(A)の速度は右向きに60[km/h]に見えます。
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次に、別の車(B)に観測者(B)を乗せ、速度40[km/h]で車(A)と同じ向きに走らせるとします。
観測者(B)から、車(A)はどのように見えるでしょうか?
何となく想像がついたかもしれませんが、観測者(A)と同じようには見えません。
なぜならば、観測者(B)は、車(A)と同じ向きに動いているからです。
観測者(B)から見た車(A)の速度を求めるためには、動いている観測者(B)の目線で考えてあげないといけません。
相対速度の公式と求め方
下記は、相対速度の公式です。
二つの物体AとBがあり、それぞれの速度ベクトルを\(\vec{v_A}、\vec{v_B}\)とする。
この時、物体Aに乗っている観測者に対する物体Bの相対速度は、
$$\vec{v_B}-\vec{v_A}$$
となる。
相対速度を求める時のポイントは、見ている人を基準とすることです。
先程の車の例では、観測者(B)の速度は右向きに40[km/h]です。
ですので、観測者(B)に対する車(A)の相対速度は、
60-40=20[km/h]
となります。
つまり、観測者(B)からは、車(A)は右向きに20[km/h]で動いているように見えるのです。
※「○○に対する」という言い回しは混乱を招きやすいですが、「○○を基準とした」「○○から見た」という意味だと思ってください。
そして相対速度は、基準とする方(見る方)の速度を、見ている車(物体)から引いてあげれば求めることができます。
相対速度の例題
最後に、様々なケースにおいて、相対速度を求めてみます。
※以下の例は、すべて右向きを正とする
(例1)一直線上を物体Aが右向きに5[m/s]、物体Bが右向きに10[m/s]で運動している。
物体Aに対する物体Bの相対速度・・・・・10-5=5[m/s]
物体Bに対する物体Aの相対速度・・・・・5-10=-5[m/s]
先程の車の例と同じです。「○○に対する」という場合、○○を基準として、観測する物体の速度から引いてあげれば求められます。
なお、速度にマイナスがついた場合は、逆向きを示しています。
今回は右向きを正としているため、物体Bから物体Aを見ると、左向きに5[m/s]で運動しているように見えるということです。
(例2)一直線上を物体Aが右向きに5[m/s]、物体Bが左向きに10[m/s]で運動している。
物体Aに対する物体Bの相対速度・・・・・-10-5=-15[m/s]
物体Bに対する物体Aの相対速度・・・・・5-(-10)=15[m/s]
物体Bの運動方向は左向きですので、速度の値にマイナスをつけることを忘れないようにしてください。
(例3)一直線上を物体Aが右向きに5[m/s]、物体Bが右向きに5[m/s]で運動している。
物体Aに対する物体Bの相対速度・・・・・5-5=0[m/s]
物体Bに対する物体Aの相対速度・・・・・5-5=0[m/s]
二つの物体が、ずっと同じ速度で並んで走っている時、互いに静止しているように見えます。
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今回は一直線上を運動するケースのみ考えましたが、基本的に物体は様々な向きに移動します。
その場合の相対速度の求め方に関しては、「平面上を運動する物体の相対速度」をご覧ください。