(問)
鉛直下向きに降っている雨の中を、車が時速5[m/s]で水平右向きに走っている。この車の中にいる人は、雨が鉛直方向と45°の角度をなす向きに降っているように見えた。
この時、地面に対する雨粒の落下速度を求めよ。
相対速度の分野における基本的な問題です。
まず初めに、車と雨粒の運動状態をベクトルで表すと下記のようになります。
車の速度は問題文に与えられていますが、雨粒の速度は分かりませんね。
次にカギとなるのが、「車の中にいる人は、雨が鉛直方向と45°の角度をなす向きに降っているように見えた」という点です。
立ち止まっていれば鉛直下向きに降っている雨ですが、今回は雨の中を車で走ったので、斜めに降っているように見えたということです。
つまり車に乗っている人の雨の見え方は、車の速度ベクトルと、降っている雨粒の速度ベクトルを合成したものになります。
よって、三角比より降っている雨粒の速度は、5[m/s]と求めることができます。
相対速度以外にも、物理ではベクトルを合成したり分解したりする機会がとても多いので、今一度頭に入れておいて下さい。